セボフルラン吸入麻酔下における ドブタミンとフエ二レフリンの循環改善効果

摘要

吸入麻酔中の循環改善薬には、ドブタミン が第1選択薬として広く用いられている。し かしながら、吸入麻酔薬の作用により末梢血 管が著しく拡張した症例では、ドブタミンを 高用量で投与しても十分な血圧上昇が得られ ないことが多く、また高用量により心拍数増 加や不整脈をはじめとした副作用が認められ る症例も少なくない。このことから、安全で より効果の高い循環改善法の検討が必要であ る。そこで、セボフルラン吸入麻酔下におけるドブタミン（Dob)とフエ二レフリン（Phe) の循環改善効果について比較検討し、フエ二 レフリンが循環改善薬として有用であるか検 討した。サラブレツド研究馬6頭（牡3頭.牝3頭、 3.5±1.6歳、446.7±39.7kg)を用い、キシラ ジンl.0mg/kgによる鎮静後、5%GGEl，000mL とチォペンタールナトリウム4 mg/kgの静脈 内投与で倒馬'導入し、セボフルラン1.2 MACにて無侵襲下で維持した。麻酔開始45 分力ゝらDobを0.5、 1.0、 2.0バg/kg/minの順に各 15分間連続投与した。次に30分の投薬休止時 間の後、Pheを0.25、 0.5、 1.0 mu g/kg/minの順 に各15分間連続投与した。