1999年における日本のサラブレッド種平地競走馬の浅屈腱炎および繋靭帯炎の発症率

摘要

靱帯は骨と骨を結び、腱は筋肉と骨を結ぶコラーゲン性軟部組織である。 馬の走行の効率化に役立つ“弾性エネルギー貯蔵能”を有する腱として浅屈腱と繋靱帯があげられる。 皬幮豫ē庭毳`貯蔵能”を持たない腱、例えば、総指伸腱は股の体勢を保持し、低い荷重を受け止めるにすぎない。一般的に、競技馬の伸腱の損傷の発症率は低いが、屈腱や繋勒帯の損傷の発症率は高いことが報告されている（Goodship and Birch2001）。 このように、腱によって発症率が異なる理由は明らかではないが、腱組織の細胞外マトリックス組成は両腱の機能的，機械的要求の相違を反映していると考えられている（Birch etal．1997）。