ゥマ子宮内膜におけるPGF2alpha自己増幅機構

摘要

哺乳類において、子宮内膜から産生されるプロスタグランジンF2a (PGF2a)は、主要な黄体退行因 子である。ゥシゃゥマなどの家畜において、PGF2 aの投与は、黄体を退行させ発情を回帰させる。ゥマ において、発情回帰に必要なPGF2 a投与量はゥシの約5分の1と少ないことが知られている力、、原因 は不明である。本研究では、ゥマ子宮内膜にPGF2 a自己増幅機構が存在することを明らかにした。中期 黄体を有する雌ゥマにPGF2a類縁体（エストラメイト; d,l-cloprostenol;250 を筋肉内投与し、 投与後72時間まで採血した。血中プロジェステロン濃度は、PGF2a類縁体の投与後45分で低下し始 め、投与後24時間まで低下し続けた。血中PGF2a代謝産物（PGFM)濃度は、PGF2 a類縁体の投与後 4時間で上昇し始め、投与後72時間まで上昇し続けた。子宮内膜のPGF2 a受容体(PTGFR) mRNAの 発現は、黄体初期および黄体退行期に比べ黄体後期に有意に高い値を示した。培養実験において、PGF2 aは子宮内膜組織および細胞からのPGF2 a産生を有意に促進した。さらに、PGF2 aは、子宮内膜細 胞のプロスタグランジン'ェンドペルォキサイド合成酵素2 (PTGS2) mRNAの発現を誘導した。本研究 の結果から、ゥマ子宮内膜におけるPGF2a自己増幅機構の存在が強く示唆された。