牛の灸シリーズ4肉用牛の症例-1

摘要

前回までは1994年8月～1999年12月の間に灸療法を実施した乳用牛26疾病269例の症例について個々に示した。 今回は肉用牛の27疾病589夙にっいて同様に示す。 疾患別適応経穴（ツボ）については本シリーズ2の表-1（Vol.19，No.13，p48）に，また実際のツボの部位については本シリーズの最後に図説する。 肉用牛27疾病の治癒率は，589例に対する治癒率は533例／589例（90.5％），死廃率56／589例（9.5％），著効率は291／589例（49.4％），有効率242／589例（41.1％），無効率は56／589例（9.5％）となった。 著効が多く認められた疾病は，腸閉塞，新生子牛体温調節障害，滑液嚢炎，熱射病の順であり，ついで，尿石症，胃腸炎（下痢）であった。 治癒率が高かった疾病は，気管支炎，肺炎，第一胃食滞，腸閉塞，卵巣静止，滑液嚢炎，熱射病 瑜有律优Ｌ逦抡{節障害の順であり, ついでルーメンァシドーシス, 急性鼓脹症，結腸鼓脹症，尿石症，扇関節炎および子牛下痢症であった。 無効率については第四胃変位の57.6％を最高とし，喘鳴症の33.0％，腰療の28.5％ついで咽頭炎の26.6％であった。 補完処置を要せず治癒した疾病は，頻脈，卵巣静止，子宮粘液症，低受胎および滑液嚢炎であつた（表）。