山口県内における牛の大脳皮質壊死症

摘要

大脳皮質壊死症（以下CCN）は，急性の神経症状と大嵐皮質神経細胞の変性, 壊死を符徴とする疾病で，2歳以下の育成牛に発生が多いが，2歳以上の牛にも散発し，国内では6歳の搾乳牛での発生も報告されている。発生要因は，チアミン（ビタミンB_1）の欠乏と考えられている。 濃厚飼料の多給や，粗飼料の不足などにより，第一胃微生物叢の異常が起こり，チアミンの生成能や吸収能の低下ブチアミン分解酵素活性の増加が起こり，その結果，糖代謝が障害され発症につながると言われている。 近年，山口県内においても散発的に発生がみられ，CCNと診断した3症例について成績の取りまとめを行つた。