O町で発生した黒毛和種子牛の白筋症を疑う症例と対策

摘要

子牛の白筋症は，セレン（Se）とどタミンEの欠乏を起因とする骨格筋，心筋の変性症であることが知られている。わが国においても1981年に一条らによって報告され，北海道内においてもその症例の発症が報告されている。今回我々は，平成9年3～4月の問に黒毛和種飼養農家2戸において流産および子牛の突然死が相次ぎ，病性鑑定の結果，栄養性白筋症を疑う症例に遭遇したため地域レベルでセレン（Se），ビタミンEの血中濃度の測定や粗飼料，土壌含有量の調査をし対策を行ったので，その概要を報告する。