肉牛：繁殖牛の飼養管理

摘要

繁殖素牛を育成するのは難しい。栄養過多は過肥に なり栄養不良は発育遅延を引き起こす。どちらち繁殖 成績にはマイナスとなる。具体的にはいつまでにどの ぐらいの体重あるいは体格になればよいのか。そして それはどうしてなのか。どのように育てた繁殖牛の生 涯生産性が高いのか，ということについて考えてみた い。妊娠、分娩は病気ではない。ところが分娩には常に リスクが伴い.場合によっては母子ともに生命の危険 にさらされることもある。冬期ならなおさらである。 しかし，分娩時の事故を回避できないと「商品」であ る素牛の生産ができない。分娩時の管理として，清潔 な出産場所を準備したり，必要であれば介助をするに してもいつ生まれるかを予測することはとても重要だ と思われる。過肥は繁殖牛にとっての大敵だと思っている。肉牛 は，当然ながら太るように育種されている。肉牛は太 りやすいのである。自由にエサを食べられる状態にあ ると，そのエサの品質にもよるが，太りすぎてしまう ケースが多い。繁殖牛が体を維持するにはどの程度の 飼料給与が適切なのか知つておく必要がある。量的に は意外と少ないと感じるだろう。以上のような観点から今回は以下の3点についてま とめた。