内毒素血症を誘発した馬における血清上皮小体ホルモン，血清電解質濃度および尿中電解質濃度の変化

摘要

消化器疾患から発生することが多い馬の敗血症は重篤な疾患であり，低カルシウム血症および低マクネシウム血症を示すのが通例である。 このような電角等質の平衡障害は，消化器疾患から生ずるのか，あるいは敗血症から生ずるのかを角牢明するきっかけとなる報告が出たので，ここに紹介したい。 電解質平衡障害は通常重篤な疾患に雁思したヒトおよび動物に認められ，敗血症の患者では低カルシウム血症がよく認められる所見である。 成鳥および子馬の敗血症では，血清中の総Ca濃度とCa~(2＋)濃度の低下が臨床病理所見であり，特に消化器疾患を伴う催患馬ではそうである。 敗血症催患馬の低カルシウム血症の原因は多因子性であり，完全には解明されていない。 低カルシウム血症の間，上皮小体の正常な反応は上皮小体ホルモンの分泌を上昇させることであるが，馬を含む敗血症の動物ではこのホルモンの上昇のみならず低下も報告されている。