ニューヨーク州の酪農場における臨床型 乳房炎の迅速な盲目的治療と原因菌同定 結果に基づいた治療の臨床予後の比較

摘要

臨床型乳房炎を引き起こす原因の多くは細菌 感染であり，治療として抗菌剤乳房内投与は広 く行われている。臨床型乳房炎の治療に用いる 抗菌剤の選択はエンピリツクに行われていて， 治療としての抗菌剤投与は不要とされているグ ラム陰性桿菌による軽度または中等度の乳房炎 や菌分離陰性の場合などにも一律に投与されて いるのが現状である。原因菌を特定するために 必要な乳汁細菌培養検査には少なくとも24時 間かかるため，治療開始が遅れることの影響が 臨床的にどの程度なのかを明らかにすることは 重要である。今回は，乳房炎治療に用いられて いる抗菌剤の使用量を大きく減らすことができ る可能性を感じさせる論文を紹介する。