牛ウィルス性下痢ウィルス持続感染牛における早期診断検査手法の検討

摘要

妊娠牛が牛ゥィルス性下痢ウイルス（BVDV)に急性 感染し，胎子に子宮内感染すると，胎子はそのBVDV に対して免疫寛容となり持続感染(PI)牛として出生す る場合がある。PI牛は鼻汁.唾液，糞，尿などの分泌 物中に大量のウィルスを排出するため，重要な感染源 となる。PI牛の多くには発育不良が認められ.二次感 染ゃ日和見感染による肺炎などを発症しやすいが，典 型的な臨床症^tを示すことは少ないため.農場内に長 期間飼養されることで感染が拡大し，さらに同居牛に 死流産も引き起こすなど経済的被害は大きレゝ1)。また， 牛ウィルス性下痢症（BVD)のワクチンは本病の発生 予防に有用であるものの，PI牛の出生を抑えることは できない。このため，BVDVを清浄化するには.PI牛 を積極的に摘発する必要がある。