現代用語版による『新栽培技術の理論体系』その5

摘要

作物はその発育において、常にたえずより高次なものへと発展する。その発展の過程で、体内の化学的変化及び物理的変化が絶えず起こってくる。そのため、ある特定の時期に関する知識だ梯では、作物の発育というものの全体を理解する上で十分ではない.生きているものを静止しているものとして見るような人は、作物の発育について理解することはできない。　さて、根によって吸収され、作物体の中の物質は、水素と酸素をのぞいて、窒素、燐、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、硫黄、珪素、塩素、枇素、沃素、棚素、鋼、亜鉛、ニッケル、アルミニウム等々であるが、その中のいずれが必須なもので、あるかについては議論がある。しかしその議論をよく検討してみると、必須という考え方はいろいろである。「必須」　について考える時、正常な発育をもたらす上で必須であるかどうかが問題となるが、正常な発育というのはどのような育ちなのかということがはっきりしていない。