凝固剤濃度を変えて調製した黒ダイズ品種の豆腐の色調と破断応力

摘要

黒ダイズ品種に含まれるアントシァニンはpHで色調が変化することが知られていることから，酸凝固剤の グルコノデルタラクトンおよび塩凝固剤の塩化マグネシゥムの濃度を変えて豆腐の色調および破断応力の変 化を調査した。ダルコノデルタラクトンを用いた場合，肉眼では豆腐の色調の変化がわずかに認められ.色彩色差計では L '値およびa '値が凝固剤濃度と有意な正の相関，b *値が凝固剤濃度と有意な負の相関を示した。また. 塩化マグネシウムを用いた場合，肉眼では豆腐の色調の変化が認められなかったが，色彩色差計ではb 値が 凝固剤濃度と有意な負の相関を示した。また，グルコノデルタラクトンでは豆腐の堅さの指標となる破断応力が凝固剤濃度と有意な二次相関を示 し，供試した濃度範囲（0.20-0.50%)では凝固剤濃度の増加とともに破断応力も増加した。一方，凝固剤 に塩化マグネシゥムを用いた場合，破断応力は凝固剤濃度が0.40-0.4596で最大値を示す有意な二次相開と なる曲線的な変化を示した。