長崎県のジャガイモにおけるアザミウマ類の寄生状況

摘要

長崎県で新発生したトマト黄化えそウイルス（TSWV）によるジャガイモえそ病の被害が拡大するかどうかの基礎資料として，長崎県のジャガイモにおけるアザミウマ類の寄生状況を調査した。その結果，ミナミキイロアザミウマ，ネギアザミウマ，ヒラズハナアザミウマ，ミカンキイロアザミウマ，ダイズアザミウマ，クロゲハナアザミウマ，キイロハナアザミウマおよび種は特定していないがクダアザミウマ類の寄生がみられた。 このうち，他の作物においてTSWV媒介の報告があるのは，ネギアザミウマ，ミカンキイロアザミウマおよびヒラズハナアザミウマの3種である。 長崎県の春作栽培における発生の主体はネギアザミウマであった。 また，ダイズアザミウマも春作の後半や秋作でしばしば密度が高まった。 ジャガイモ圃場で発見された各種アザミウマ類のジャガイモえそ病との関連や，今後の検討課題を論議した。