奄美諸島におけるカンキツグリーニング病の発生調査（第1報 奄美諸島における分布の特徴）

摘要

カンキツグリーニング病（以下，CG病）は，師管寄生難培養性細菌Candidatus Liberibactor asiaticusの感染によって発生するカンキツ類の重要病害で，接木またはミカンキジラミDiaphorina citri Kuwayamaにより媒介される。 雁病樹は最終的に枯死するため東南アジアのカンキツ栽培地帯を中心に甚大な被害を及ぼしている（芦原，2004，2005）。 日本国内では，1988年に沖縄県西表島で初めて本病罷病樹が確認され（Miyakawa and Tsuno，1989），1997年には南大東島を除く沖縄県全域（高江洲，2001）で，さらに，2002年4月に鹿児島県大島郡与論町でも発生が確認された（濱島ら，2003）。 このことから，奄美諸島（奄美大島，喜界島，徳之島，沖永良部島および与論島）における本病の発生状況を明らかにするために，民家や住宅地周辺の空き地等に植栽されたカンキツ類について催病樹の発生状況を調査したので，その概要を報告する。