乳牛の第四胃左方変位に対する経度的第四胃固定術（blind stitch法）の評価

摘要

乳牛の第四胃左方変位に対し，経皮的第四胃固定術（blind stitch法）を実施した111例について，治癒率，6カ月後生存率，再発率，死廃牛の原図について調査した。治癒率は90．1％，6カ月後生存率は81．1％，再発率は6．3％であり，開腹手術を実施した例と同等であった。 死廃原因は腹膜炎2例，脂肪肝2例，腸捻転1例，不明1例であった。 第四胃左方変位の際，開腹手術と本法を農家に選択させた結果，96．7％の症例で本法が選択され，農家はこの術式による治療成績や術後の生産性に満足していることが示唆された。本法は第四胃左方変位に対する衡式の選択肢の一つとして有効と考えられた。