ビタミンA制限飼料を継続給与されている肥育牛に対する飼養管理指導

摘要

愛知県の肥育農家では，肉質等級，肉色が悪くなることを懸念してビタミンAを積極的に給与せず，欠乏牛にのみビタミンAを補給するという農家が多い。 このため，ビタミンA補給時期の遅れが共済事故の発生要因の一つとなっている。 本研究では，経時的な栄養指標，肝機能指標の変化を調べ，牧場主と連携しながら対策を検討した。 肉質等の生産性を維持しながら事故防止を図る目的で，次の4段階の指導を行った。①対策前の代謝プロファイルテスト，②1カ月彼の検診と治療，③検討会の実施と対策，④対策後の効果判定。指導の結果，死廃率は指導前と比べ大幅に改善し，出荷牛の体重増もあり大きな経済効果が得られた。