GnRH投与により卵胞発育波をコントロールした乳牛での過剰排卵

摘要

現在，胚移植技術は牛の生産現場において一般的な技術となり，牛の繁殖を積極的に行う臨床獣医師にとって重要なサービスの一つとなりつつある。 しかし，過剰排卵誘起に対する卵胞発育の反応が一定ではないことは胚移植に携わる我々，共通の問題であり，体外受精，核移植等の生殖工学に関する技術が飛躍的に進hだ現在でもなかなか解決できない問題である。 近年，超音波画像診断装置による卵巣の観察と生殖ホルモンの測定により発情周期における卵胞の動態について詳細に検討され，牛では一発情周期中に2－3回の卵胞の発育，退行を繰り返す卵胞発育波（Follicular Wave：FW）の存在が知られている。