乳牛の子宮内膜炎における診断項目と子宮内膜多形核白血球割合に基づく治療法の評価

摘要

ホルスタイン種乳小の子宮内膜炎の診断において，粘液の汚れ，直腸検査による子宮壁肥厚と子宮角の左右非対称，超音波検査による高輝度ェコーラインと貯留物の描出の5項目の臨床所見の有用性 を評価した。1項目以上の所見がみられた38頭について，サイトブラシを用い子宮内膜多形核白血球 割合(PMN%)の測定による診断を行ったところ，子宮内膜炎(PMN%2 4 %)陽性率は58% (22/38頭） であり，認められた所姑の数は内膜炎陽性牛で平均3.0，陰性牛で平均1.4であった。最も出现率の高 い项目は高輝度エコーラインの描出であった。治療法による効果比較では，PGF2α製剤投与群は7 頭屮7頭，ヨード剤子宫注入群は9頭中6頭，子宮洗浄群は4頭中3頭で治療後に低下した。 なお. PGF2α製剤投与群では治療前後のPMN%に冇意差が認められた。以上から，超音波検Sを用 いることで子宮内膜炎の診断精度が向上し，機能性黄体が存在する例ではPGF2α製剤投ケが有効な 治療となる可能性が示唆された。