子宮頸管粘液検査と診断的子宮洗浄によるホルスタイン種乳牛における子宮内膜炎の診断

摘要

乳牛の人工授精時における子宮頚管粘液中の好中球出現程度　 (以下，好中味出現程度）と排卵日における診断杓子宮洗浄液の細菌学的および細胞学的検査成績を比較検討した。 好中味出現程度が中度以上の群，子宮洗浄液の検査により子宮内環境が細菌学的に不良と判定された群，および細胞学的に不良と判定された群の受胎率は良と判定された群に比べて有意に低かった。 好中球出現程度が増すにつれて，細胞学的に不良と判定された頭数割合は有意に増加したが，細菌学的に不良と判淀された頭数割合との間には一定の関係はみられなかった。 以上，好中球出現程度，子宮洗浄液の細菌学的検査，および細胞学的検査のいずれによっても子宮内腸炎の存在を推測することは可能であるが,より正確な診断を行うためには複数の検査を合わせて実施する必要がある。