事故が多発した大規模乳用牛群に対する総合対策

摘要

大規模酪農家の経営全般に関わる総合的な対策の肩効性を明らかにすることを目的に，病傷，死廃車扱が増加し，乳質も悪化していた工乳用牛群において，専政原因の究明と対策を平成11年より5年間にわたり実施した。 当牛群では当初，感染性疾患や周産期病による死廃車扱が多く，乳生産が低迷して－いたので，乳牛検定情報と病傷，死廃車故記録の分所，SA（黄色ブドウ球菌）対策，飼養管理指導などを単発的に実施したが，専政は減少しなかったそこで平成13年より，搾乳立会と乾乳前のSA仝頭検査を実施し，牛群の代謝プロファイルテストにおいて，全般的な肝機能障害と慢性炎症の存在を示す成績が得られ，その要因として密飼いによる乾物摂取量不足，濃厚飼料過多による消化障害，給水施設の不足，サィレージの変敗によるカビ中毒などが原因と考えられた。対策として，飼料設封の見直しと良質鵜飼料の確保，SAの新規感染防止そ最優先に乾乳時治療と淘汰を実施した。 その結果，平成14年以降は死廃事故が減少し，乳質が改善され，生産性が向上した。 以上のことから，乳牛の専政対策は総合的且つ継続的に取り細むことが有効であることが確認された。