育成乳牛の除角後に発生した後躯麻痺の一例

摘要

管内酪農場で除角後40日経過した育成乳牛が突然に起立困難となり，加療中に後躯麻痺を呈し予後 不良となった。病性鑑定の結果，胸椎に膿瘍形成が見られ，硬膜外の化膿性壊死性炎ならびに胸椎の 化膿性骨髄炎と診断された。免疫組織学的検査で除角部化膿巣と第7胸椎の膿瘍かちFusobacterium necrophorumが检出された。本症例は除角部の化膿巣からFusobacterium necrophorumeが脊髄に血行 性伝播し，胸椎に形成された椎体膿瘍によつて後躯麻痺を呈したものと推察された。