子牛下痢症予防のための実態調査とリスク因子解析

摘要

地域の子牛下痢症の発生を低減させるために，下痢症発生の実態把握および下痢症発生のリスク因子の解明を目的として疫学調査を実施した。地域の平均下痢症発生率は6.6/100牛月であった。また， 農場間の発生率の範囲は0-63.6/100牛月であった。農場別下痢症発生率が平均以上か否かを従属変 数とし，また各農場の子牛管理方法を独立変数として，多変量ロジスティック回帰分析を用いてリス ク因子解析を行つた。その結果，哺乳量が6-8 L/日（ォッズ比:0.103)および哺乳方法の変更あり（ォッ ズ比:4.302)が有意な因子として抽出された。子牛の下痢症予防には，哺乳量を6-8 L/日にすること， また7 -14日齢で哺乳方法をニップル哺乳からバケツ哺乳に変更しないことが有効であると考えられ た。