東アフリカにおける下痢症への感染リスクの実態調査とDHS-SSF導入による感染リスク低減効果の検討

摘要

WHO/UNICEFは、世界では約8億440万人が、基本的な飲料水サービスへアクセスできておらず、特にサブサハラアフリカで深刻であると報告している。また、この問題は上水道が未整備の農村部で顕著であり、住民の多くは河川水のように安全管理が不十分で、下痢症のような感染症への罹患が危惧される水の飲用を余儀なくされている。安全な水供給のために、農村部へ近代水道施設が建設されたケースも存在するが、維持管理の複雑さから使用不能に陥っている。そこで、我々の研究グループはdown-flow hanging sponge(DHS)リアクターと緩速砂ろ過を複合させた新規自立型生活用水浄化プロセス(以下DHS-SSF)を開発しケニアの農村部に設置することで住民への安全な水の供給を目指している。