フリース一ル酪農場における 跛行スコアリングの実用性の検証

摘要

フリーストール酪農場において複数の観察者による跛行スコアリングを実施し，その直後に行われ た定期的削蹄時の蹄病変の記録を調査した。観察者内および観察者間のスコアリングの一致度および 跛行スコアと蹄病変の相関，診断基準の妥当性を検討した。観察者内および観察者間の一致度は中程 度であり，跛行スコアリングは牛群の状態をモニタリングする方法として有用であった。本農場にお いては跛行スコアと蹄角質病変有病率との間に有意(p<0.01)な相関が認められた。また複数の観察者 による跛行スコアを，すべての検査が陽性の場合に動物が疾病を有すると判定する方法は，診断精度 を向上させ蹄病対策への有用性が示唆された。