栄養プロファイルのための血液および乳汁検査成績の読み方（3）

摘要

肝臓は糖新生，蛋白合成，リボ蛋白合成など生体機能にとって重安な多くの機能を有している。 肝臓機能の何が低下しているかによって，現れる症状やその対策は大きく異なってくる。 病牛の治療に際しては薬剤選択も変わってくる。血液検査における肝臓機能評価項目を図1に示した。 牛では腸管からの吸収はごくわずかであり，主に肝臓での糖新生に由来する。 その原料としては，通常ではVFAのおよそ10％を占めるプロピオン酸から55％，筋肉蛋白の分解による糖原催アミノ酸から25％，運動時，筋肉等で発生する乳酸から10％，体脂肪の分解によるグリセロールから5％とされているが，絶食時は体脂肪の分解から30％が供給される。