栄養プロファイルのための血液および乳汁検査成績の読み方（4）

摘要

酵素診断は，主に血中の逸脱酵素の濃度を測定することにより，その分泌母地の組織の傷害の程度を診断するものである。 これらは栄養プロファイルと直接の関係はないが，肝臓に関しては栄養障害の結果として組織傷害にまで及ぶ場合もあり，また組織傷害の結果として栄養障害が惹起される場合もあるので記載することにする。 疾病診断に有用なクレアチンキナーゼヤアルカリフォスファターゼのアイソザイムは栄養プロファイルとは関係ないので，他書に譲ることとする。 栄養プロファイルでは，レシチンコレステロールアシルトランスフエラーゼ（LCAT）やコリンエステラーゼなど，逸脱酵素ではなく血液中で何らかの役割を果たす数少ない酵素群の役割も大きいが，オートアナライザーでの測定ができないので省略する。