超音波診断装置を用いた性判別による後継年計画生産の検討

摘要

後継牛の計画生産を目的として管内5酪農場において，人工授精後28日以降に行った妊娠診断により妊娠と診断した牛全168頭について，授精後58日～80日に超音波画像診断装置を用いて，胎子の性判別を行った。その性判別成績を活用しながら人工授精，受精卵移植を進め，あらかじめ決めた各農場の年間におけるホルスタイン種雌胎子受胎の目標頭数確保をめざした。結果的に3農場では，目標頭数を確保することができたが，2農場では目標頭数に及ばなかった。このようにあらかじめ妊娠牛の胎子の性別を把握することにより，人工授精，受精卵移植を計画的に進めることができた。また，個体販売，淘汰牛の決定にも有用であった。目標頭数を確保することができなかった農場においても，早期に導入を決定することができた。本方法を実施することにより，酪農経営の向上に寄与することができると考える。