散気式ォゾン水生成装置により生成された オゾン水の生活環境に存在するカビに対する消毒効果の検討

摘要

カビによる食品汚染の対策として徹底した衛生管理が 重要だが，毒性が低く環境汚染がない消毒資材の探索が 求められている.オゾン水は酸素と水が主原料であり， 環境中の残留がなく，人体に対する安全性も確認されて いる.本研究では食品衛生管理に有用な消毒資材としてォゾン水の殺力ビ効果を検討した.試料として食品汚染カビ5菌種を用い，オゾン水と胞子液を混合し，1分， 5分，15分，30分後に試料を採取し，10倍段階希釈して， 25°Cで7-14日間培養しコロニ一数を算定した.温度条 件はオゾン水濃度調整の関係から10°C， 20°C, 351：に設 定し，感受性カビに対してオゾン水のオゾン濃度を 0.5 ppm,1ppm, 2ppmに調整し，抵抗性カビに対し て3 ppm, 4 ppm, 5 ppm, o ppm, 7 ppm, 8 ppmに 調整した.な等は高感受性を示し，10°C において，2 ppm1分，0.5 ppm 5分以上の感作で殺力 ビ効果を示し，20°Cおよび35°Cでは.1ppm1分.0.5 ppm 5分以上の感作で効果を示した.Chaetomium globosumは強い抵抗性を示し.10°Cにおいて8 ppm 30 分の感作で効果を示し，20°Cでは，5 ppm15分，4 ppm 30分で効果を示した.35°Cでは，5 ppm 5分，3 ppm ほ分以上の感作で効果を示した.本研究の結果より，ォ ゾン水に対して一部のカビは抵抗性を示すが，多くの菌 種は低濃度でも高い感受性を示し，5 ppmのオゾン濃度 1分の感作で十分な殺力ビ効果を示すことが明らかと なった.また，カビに対するオゾン水の消毒効果は感作 時間の影響が大きいことが示された.