Salmonella Enteritidis（SE）不活化ワクチン接種およびSE経口接種感染鶏群における抗体応答のWestern Blotting法，およびSEの菌体抗原あるいはg．m．鞭毛抗原を用いたELISAによる比較検討

摘要

本研究では，Salmonella Enterltidis（SE）不活化ワクチン接種鶏とSE感染鶏の抗体応答をウェスタンプロッティング（WB）法および2つのELISA（SEの菌体抗原あるいはSE g．m．鞭毛抗原を用いたSEIとSEⅡ）とにより，比較検討した。　ホルマリン処理したSE菌体から分別した抗原成分を用いたWB法による解析では，SE不活化ワクチン接種鶏の抗体応答は，53kDaの位置に特徴的なバンドが長期にわたって出現するという結果を得たが，SE経口接種鶏は2週後に9例中4例に弱く53kDaのバンドが出現した。野外でSE感染した5例中3例でほ53kDaに対するバンドが弱く認められたか，SE不活化ワクチン接種鶏では53kDaおよび97kDaに強いバンドが認められた。　SE菌体あるいはSE g．m．抗原を用いた2つのEuSAによる解析でほ，SElでは室内SE経口接種鶏では2週後以降陽性が認められたが，SEⅡでは3週齢時に接種した場合を除きすべて陰性であった。市販のSE不活化ワクチン4製剤をそれぞれ接種した3週齢のSPF鶏群では，SE Ⅰでほすべて高い陽性反応が認められた。しかしSEⅡでは一部のワクチン（アルミニウム製剤）では抗体応答は認められなかった。これらの成績から，SE不活化ワクチン接種鶏とSE感染鶏の抗体応答には多くの相異点があることが明らかとなり，これらの点を応用することによって両者を判別できる可能性が示唆された。