果樹農業、果樹産地の持続的発展に向けて一果樹農業の現況と対応すべき課題

摘要

本稿では、初めに果樹農業、果樹産地の維持発 展を図るうえで留意しておくべき総括的な数値 データをいくつか提示して、後段では果樹産地の 持続的な発展方向を探るうえで指標となる先進事 例について弁証法的な考察を加えてみた。のそもそも果物は、食卓に、おいし さ、健やかさ、彩り、潤い などをもたらす必須食品で あって、多くの消費者に好ま れており（表1)、家計支出の 面でみても多少の増減はあ るちのの一定比率が維持さ れている（図1)。②高度経済 成長、食生活向上などで増大 してきた果実生産は、生産過 剰、景気減退、輸入増加など で消費低迷、価格下落に転じて漸減傾向が続いてきたが、 この数年は果実市況が高値傾向であるにちかかわらず 入荷量が増加傾向に転じる 兆しはみられず、国産果実の需給ノ （ランスは徐々に均衡から供給不足に移行しつつあるとのではと懸念される（表2)。