渋皮剥皮に優れ大果で早生のクリ新品種「ぽろたh」

摘要

果樹研究所におけるクリ育種は、品質、加工適性、収量性等の向上を育種目標として昭和22年に開始されました。 しかし、昭和16年に岡山県で発生したクリタマパテの被害が全国に拡大し、国内の産地が壊滅的な被害を受けたこと力、ら、昭和27年頃より育種目標を変更し、クリタマパテ抵抗性品種の育成を最重点としてクリ育種は進められるようになりました。 耐虫性クリ品種を探索し、これらの品種をもとにクリタマパテ抵抗性育種を進めた結果、昭和34年に「丹沢」、「伊吹」、「筑波」の3品種がクリタマパテ抵抗性品種として選抜されました。 その後、これらの品種の持つ抵抗性がクリタマパテの変異によって相対的に低下したため、より強い抵抗性を示す品種として「石鎚」、「国見」、「紫峰」が選抜、公表されました。 「筑波」、「丹沢」を中心としたこれらのクリタマパテ抵抗性品種は現在でも栽培面積の4割以上を占めるに至っています。