大阪府におけるハウス抑制栽培キユウリのウィルス感染状況と 遮光およびワクチンによるズッキーニ黄斑モザイクウィルスの被害軽減効果

摘要

2014年，2015年に府内で発生したキユウリのウィルス 病について病原ウィルスを調査したところ，ズッキーニ 黄斑モザイクウィルス（ZYMV)の感染が多いことが明 らかとなつた。また，ZYMV感染によっておこる萎凋症 に対する遮光の効果を調査したところ，遮光によりハウ ス内の温度を下げることは効果的である力5'， 6-8葉 期にZYMVに感染すると萎凋症の発生が多かったため， 13-ほ葉期まではウィルスに感染しないようアブラムシ の防除を徹底する必要があると考えられる。さらに，遮 光とZYMVワクチンの併用による効果を調査したとこ ろ，ワクチン処理単独の場合よりもZYMVによる収量 減少を軽减できる可能性が示唆されたが.ヮクチン処理後すぐの3-4葉期にZYMVを接種すると遮光ハウス および無遮光ハウスともにワクチン無処理区と収量は同 等であった。このことから，ワクチン処理と遮光を併用 した場合でも6-8葉期まではZYMVに感染しないよ うアブラムシの防除を重点的に行う必要があると考えら れる。