腐熟稲ワラにおけるコナダニ類の発生とホウレンソウケナガコナダニの増殖

摘要

コナダニ類のホウレンソウへの加害は1980年代から報告があり，その主要種はホウレンソウケナガコナダニ Tyrophagus similis Volginで，近年，奈良県でも中山間地域の施設ホウレンソウで春期及び秋期にコナダニ類が多発し，問題となっている。 未熟な有機物の大量投入がコナダニ類の発生を助長する傾向があるが，現場では土づくりのため，入手しやすい稲ワラを投入しているところが多く，コナダニ類が増加している。 そこで，稲ワラを腐熟させることによってコナダニの増殖を減らせないかと考え，腐熟稲ワラにおけるコナダニ類の発生状況と腐熟稲ワラを餌とした場合のホウレンソウケナガコナダニの増殖程度を調査した。