遺伝子組換えカイコによる ヒ卜終末糖化産物受容体の生産

摘要

RAGE (receptor for advanced glycation end products)は，当初は糖尿病合併症の発症に関わる終末糖化産物（Advanced glycation end products: AGEsノ殳容体として同疋 されたが(Schmidt et al,1992; Neeper et al,1992),近年 の研究により，様々な組織に発現し，多様な構造のリガ ンドを認識するパターン認識受容体として機能している ことが明らかとなっている（Yan et al.,1996; Hofmann et fl/.， 1999)。さらに，RAGEへのリガンド結合は，糖尿病 合併症に限らず，関節リウマチ，アルツハイマー型認知 症などの多くの加齢性疾患の発症，亢進に至るシグナル カスケードを活性化することが示され（Bierhaus et al., 2001; Sparvero et al. 2009; Sims et al, 2010), RAGEは， これら加齢性疾患の予防，治療の潜在的な標的として注 Sされている。