北米での胚移植実用化および国際胚移植学会創設の思い出

摘要

生命の誕鳥胚の発生から妊娠の成立，そして分娩や泌乳やがては性成熟から青年期、成熟期、老齢期そして死を迎える生と死の生命現象のドラマの総てが研究対象である繁殖生物学こそが，21世紀の花形分野として脚光を浴びよう。 この50年間の半世紀を振り返ってみても，人工授精→受精卵（胚）移植→体外受精→核移植→クローン作出へと放りなく進展して来た。 例えば，わが国の乳牛1現当りの年間平均乳量は，1945年頃には2，000毎に達していなかったが，人工授精が100％曹及をした現在では8,000kg以上に達しており，人工授精が乳牛の改良にもたらした効果は非常に大きい。また，胚移植では，現在，わが国で活躍中の種雄牛の約85％が胚移植で生産されている。