片側の副腎切除術後一過性に副腎皮質機能低下症を発症した副腎皮質腺嬢と尿石症を併発したフェレットの1例

摘要

フェレットは食肉目イタチ科の動物で、伴侶動物として近年診療件数が増加傾向にある。 国内で飼育されているフェレットのほとhどは、幼少時に避妊、去勢手術をされて海外から輸入されたものである。 副腎疾患はフェレットにしばしば見られ、早期の避妊、去勢手術によりテストステロンおよびエストロゲンの視床下部へのネガティブフィードバックが消失し、Gn－RHの持続的な分泌に続くLHとFSHの分泌克進により副腎が持続的に刺激され、過形成そして腫瘍化するとされている。 そのうち、副腎腫瘍は副腎皮質腺鹿と腺病が大部分を占める。 犬、猫の副腎腫瘍においてはコルチゾール分泌克進によるクッシング症候群が一般的だが、フェレットでは性ホルモン過剰分泌による内分泌性脱毛、陰部腫脹、去勢清雄の前立腺疾患に伴う排尿困薙、あるいは発情行動を示す。