コエンザイムQ_(10)のヒトにおける摂取量と血中濃度上昇値に関する網羅的データの収集とその解析

摘要

コエンザイムQ_(10)（以下CoQ_(10)）は，1957年にCraneらによって構造決定された生体内成分であり，ユビキノン－10とも言われる．電子伝達系の補酵素であり，抗酸化作用も合せ持つ化合物である．工業的な生産と開発は日本で行われ，合成法に拠って生産されたCoQ_(10)が，1973年に医薬品（効能、効果：軽度及び中等度のうっ血性心不全症状）として承認された．その後，2001年から食品としての使用も可能と成り，2004年には配合の上限を定められているが化粧品にも使用が可能となった．海外でも，医薬品，健康食品或いは化粧品として使用され，注目を集めている．CoQ_(10)は式1の構造式で示される橙黄色の結晶であり（融点は約50°C），きわめて脂溶性の高い成分である．