東京大学総合研究博物館所蔵の新生代化石貝類タイプ標本図説18.ヌノメハマグリ属とフクレハマグリ属（マルスダレガイ科)

摘要

Pseudamiantis Kuroda, 1933ヌノメハマグリ属はやや大型で重厚な殻，粗いほぼ共縁 状の肋と細い放射状の条線からなる表面装飾，および，Calやta Poll, 1791マツヤマヮス レ属に似た歯式を持つ強い鉸装により特徴づけられるマルネダレガイ科の絶滅属である (Iwasaki, 1963)。本属は石川県金沢市の下-中部更新統大桑層から記載されたMeretrix teuyras/sYokoyama, 1927をタイプ種とし，その形態的特徴から，カムチャツカ半島の 上部中新統産のPitaria gretschischkini So6k&NAch, 1938をタイプ種とする絶滅属 Neogenella Zhidkova et al,1968 exKrishtofovich (MS)フクレハマグリ属（和名新称） との類縁性が指摘されている（Amano & Karasawa, 1988; Ogasawara, 2011)。今回は，東京大学総合研究博物館所蔵のPseudamiantis Kuroda, 1933ヌノメハマグリ 属の2種と，Neogenella Krishtofovich in Zhidkova et al., 1968フクレハマグリ属の1 種のタイプ標本について図示、解説する。