東京大学総合研究博物館所蔵の新生代化石貝類タイプ標本図説16. 二ヨリフスマガィ属（マルスダレガイ科）

摘要

Compsomyax Stewart, 1930 二ヨリフスマガィ属は，Veneridaeマルスダレガイ科の 1属で，現在ではCompsomyax subdiaphana (Carpenter, 1864) ニョリフスマガイ (タイプ種SaxidomusgibbosusGabb, 1869の古参異名：Stewart, 1930)1種のみが北 東太平洋地域の浅海-漸深海に生息している（Hertlein & Grant, 1972; Coan et al, 2000など）。本属は北米西海岸の下部中新統以上の地層（Weaver, 1943; Hertlein & Grant, 1972)に加え，日本の下部中新統最上部-中部中新統最下部からも産出が記録さ れており（Nomura, 1940; Kamada, 1962), KaneharaiaMakiyama, 1936カネハラカガ ミ属ゃRexはhaerusl Tryon, 1869サギガィ属などと同様にァメリ力西海岸起源で前期中 新世後期の温暖期に北西太平洋に移動してきた要素の一つとして知られている（Amano, 1998; Amano & Hikida, 1999; Amano et al, 1999)。