荒川流域の情報発信「ARA」推進事情--整備と運用について

摘要

災害時に，どのように情報を収集し提供·共有するか，行政のみならず市民にとっても極めて重要な課題である。 荒川下流域では，全国に先駆けて情報ネットワークづくり向けてさまざまな取組みが続けられている。 荒川下流河川事務所では平成5年度から河川管理用の光ファイバ網や河川監視のためのCCTVカメラ，情報コンセントなどの情報インフラ整備を進めてきた。 現在では光ファイバケーブルは荒川下流域約30kmの両岸に敷設され，これを通じて水門などを遠隔操作するとともに，水位·水質などの観測データや映像などのさまざまな情報を収集している。河川の空間監視，施設の監視として沿川約2kmごとにCCTVカメラが整備され，その映像もすべて光ファイバを通じて集められている。両岸の堤防には，情報コンセントが約1kmごとに設置され,カメラ·電話·パソコン等を接続し，光ファイバを通して映像·音声·データを送信することができる。