光合成産物の転流と果実の成熟

摘要

果実生産ゃ樹体の生長にとつて光合成作用 は重要な働きをしていることはすでに述べた が，葉で作られた光合成産物は果実や枝，主 幹，根など他の器官へ移動していき，それぞ れの器官において利用されている。葉は光合 成産物を生産し供給する器官であることから 「ソース」と呼ばれ，一方，光合成産物を受 け入れて貯める側の器官は「シンク」と呼ば れている。果実へも多くの光合成産物が移動 することによって，肥大が進むとともに果実 内の糖が上昇していく。このようにソース器 官の葉からシンク器官へ光合成産物が移動す る生理作用は「転流」と呼ばれている。また， 各器官への転流量の程度や割合を「分配」という。