【17】他県のナシ産地の栽培、生産状況

摘要

これまでに，岡山の代表的あるいは著名なナシ産地（または個人）11か所について，栽培の歴史や経過，現状などを紹介してきた。それらの中には，明治時代にナシ栽培が始まった古い産地もあれば，昭和の後期から平成にかけて発展を遂げた産地，栽培家もある。いずれも，さして大規模ではないが，その土地や地形の条件に適する品種を選び，販売の有利性などを活かした独自性の高い，価値あるナシ生産を行っている。岡山で生産されたナシは，その多くが県内消費され，近隣の顧客によって購買されるものも多い。一方では，愛宕ナシやパス、クラサンのように，￣全国的に有名な特産品として，国内各地から求められているものもある。しかし，全国的なナシの需要低下や愛宕ナシ栽培の拡大などもあって，岡山のナシ産地や栽培家の中で，将来的にさらに発展が見込まれるのは比較的限られた範囲のようである。