リレー投稿「機能性食品の研究」第25回「ニン二クの抗がh作用について」

摘要

日本人の死因の約50%は悪性腫瘍すなわちがhによる。 1975年以降、胃がhを除いて男女ともにがhによる死者 の数は漸増している。加齢に伴う増加は顕著で、55歳を 過ぎる頃から急増してくる。がhになる原因は、遺伝的要 因と環境要因とに大別される。遺伝的要因あるいは素因の 中には環境要因、たとえば紫外線の害を受けやすい人と受 けにくい人のような、いわゆる外部刺激に対する感受性の 強弱（一般的に体質として理解されている）も含まれてい る。そのため、がhは、どこか運命的で不可避な病気とし て受け止められているように思える。ところが医科学的な 研究によって、がhの発生は、それほど決め付けられた ものではないことが分かってきた。たとえば、遺伝子の同 じ一卵生双生児と遺伝子の近似する二卵生双生児について の研究などから、実は遺伝子の同じ姉が罹つたのと同一の がhになる妹の例は、数万組の解析から、わずか10%程 度であるという。遺伝的影響の大きさは、代表的な3部位 である大腸がhで35%、乳がh27%、前立腺がh42%と 高率であるが、大部分の患者は、喫煙や食べ物、飲み物、 職業など親兄弟とは無関係に、その患者固有の環境要因に よって罹患していると判断されている。