沖縄、岡山、茨城県下から分離されたカボチャ。立枯病菌の子のう殻形成及びその差異

摘要

我が国で初めてカボチャ立枯病の被害が確認されたのは、1984年沖縄県本部町のカボチャ台ニガウリからであつた。 その後、1987年に岡山県牛窓町及び茨城県日立市のカボチャ、キユウリ、プリンスメロンに発生が相次いで確認された。 これら3県から分離された病原菌はFusariumsolaniであり、接種試験の結果からその分化型及びレースの決定が金城ら（1987）、下長根ら（1987）及び相山ら（1990）によってなされ、F. solani f. sp. cucurbitae race 1と同定された。 そして、彼らはその大型分生子がいずれも4隔膜優勢であり、MATSUOら（1973）がこれを5隔膜。 以上のα型の分生子とするものとは異なる系統であると示唆した。 分化型の決定法にはこのほかに、MArSUOら（1972）の提唱した交配による方法がある。 筆者らは3県に発生したカボチャ立枯病菌と米国から導入した基準菌株を用い交配試験を行い、興味ある知見を得たので報彗する。