早生型合成コムギへのパンコムギ品種戻し交配後選抜系統のグラフィカルジェノタイビ ング

摘要

出穂開花期の制御はパンコムギの品種育成において重要である。しかし、春化要求性の主働遺伝子Vrn-1と日長感応性 の主働遺伝子Ppd-1の作用力が大きすぎるた め、その他の遺伝子の効果を判断するのが困 難であった。我々はタルホコムギの持つ早生 遺伝子をパンコムギに導入するために、合成 パンコムギ系統をマ力ロニコムギ品種Langdon (Ldn)と様々なタルホコムギの間で育成して解析してきた。その中で安定的に早 生形質を示す合成パンコムギ系統Ldn/ PI476874とLdn/AT47に4つのパン用コムギ 品種「ゆきちから」「春よ恋」「はるひので」 「キタノ力オリ」を戻し交雑した後代から、4 品種よりも早生の系統を逐次選抜してきた。 この選抜系統には合成ノヽ°ンコムギに由来する 早生関連遺伝子が伝達されていると考えられ たことから、その選抜系統の特性を評価する とともに、伝達された合成パンコムギ由来の 染色体領域を明らかにすることで、パンコム ギ育種に利用できるタルホコムギ早生遺伝子 領域を推定した。