栽培エンマ一コムギの遺伝的背景に野生種の染色体断片を導入した戻し交雑自殖系統 を用いた栽培化関連形質の遺伝学的解析

摘要

コムギは西南アジアにおいて倍 数性進化と栽培化によつて起源したと考えら れている。約1万年前、人間は野生エンマ一」ムャ(Jriticum turgidum ssp. aicoccoides)を 利用し始めたが、その過程で栽培化が起こり、 栽培エンマ一コムギ(J. turgidum ssp. dicoccmn)力s生まれたとされている。栽培化により脱粒性の喪失、穎果の重量の増加など が起こった。その結果、コムギのJ]又穫効率や 収量は向上し、農耕の発展に大きく寄与した と思われる。エンマ一コムギの野生種と栽培 種の間では脱粒性以外にも多くの形質で違い が見られるが、それらの遺伝的制御機構の全 貌については不明な点が多い。本研究では、 エンマ一コムギの栽培化関連形質に関与する OTLの同定を目的とした。