着色ダイズにおける種皮着色過程の解析

摘要

日本で栽培されているダイズの多くは白目 黄ダイズ（黄ダイズと表記）である。黄ダイ ズはI遺伝子により、種皮着色が抑制されて いる。そのため、黄ダイズ種子は内部の黄色 い子葉が薄く透けて黄色を呈するが、ウィルス感染や低温ストレスにさらされると種皮が 部分的に着色してしまうことがある。このよ うな種皮着色現象は黄ダイズ種子の品質を大 きく低下させる。その一方で着色ダイズの種 皮には、抗酸化能を持つ機能性物質として注目されているアントシァニンやプロアントシァニジン（PAと表記）が含まれ、ダィズに 付加価値を与えている。このようにダイズ種 子の種皮着色は品質保持や機能性向上を考え る上で非常に重要な現象であるが、その色素 蓄積様式に関する組織-細胞学的な情報は少 ない。