高速シーケンサーを用いた大規模遺伝子発現情報に基づく遺伝子探索手法の開発

摘要

複数の異なるサンプルに由来する遺伝子 発現プロファィルを比較解析することによつて，新規遺伝子の探索や遺伝子の生物学的機 能の解明が促進される. 近年，高速シ一ケンサー（NGS)の利用の拡大によって，遺伝子発 現プロファイル.データの収集が加速化しており，遺伝子探索が急速に展開している.しか し，現在のバイオインフォマティクス解析基 盤では，NGSから得られる大規模な遺伝子発 現プロフアイル - データを効率的に取り扱うことができない.その理由として，広く用いら れている階層的クラスタリング手法では，デー タの大規模化に伴い，膨大な計算リソース（計 算時間 - 計算メモリーなど）を要すること，ま た，デンドログラムとヒートマツプを用いた 結果の解釈も困難となることが挙げられる. ハイスループット化が進むNGSを活用するた めには，汎用的な計算機環境でも大規模情報 を迅速に解析し得る手法の開発が急務である. そこで，本研究では，対応分析（CA)に基づく 大規模遺伝子発現プロフアイル解析手法を開 発し，手法の評価を行った.