きたほなみ変異体ゲノム解析による穂発芽耐性に関わるゲノム領域の同定

摘要

穂発芽は降雨や気温の低下などにより収穫前の穂から種子が発芽する現象 で、穂発芽が起こると収量が低下するだけで なく 、低質な小麦粉となる。コムギの収穫期 が雨季と重なっている日本において、穂発芽 耐性の獲得、強化は育種上の大きな目標と なっている。今回、我々は北海道の秋播コム ギ品種である「きたほなみ」にガンマ線照射 することで、穂発芽耐性が向上した系統「28511」を作出した。本研究では、穂発芽耐 性に関わるゲノム上における欠失領域を同定 することを目的に「きたほなみ」と「28511」 を用いたゲノムシークェンス解析を行った。 そして、欠失を検出する場合に必要とされる ゲノムシークェンスのデータ量についても検 証を実施した。