葉酸と神経管閉鎖障害ならびにライフスタイル指導に関する栄養士の認知度調査（2007年）

摘要

神経管閉鎖障害は妊娠6週（受精4過）頃に発症するので，妊娠前4週から葉酸を摂取して発生リスクを低減させることが肝要である。神経管閉鎖障害の主要な構成疾患は，二分脊椎症と無脳症である。二分脊椎症児は出生直後から幾つかの手術を受ける必要があり，終生にわたるリハビリテーションを要する。一方，無脳症児は妊娠中に流産するか，または出生直後に死亡する。1991年に葉酸サプリメントを摂取すると，先天性奇形の1つである神経管閉鎖障害（Neural Tube Deftct；NTD）の発生リスクが低下するとの画期的な論文が英国から発表された1）。この無作為比較試験は過去に神経管閉鎖障害児を妊娠または分娩したハイリスク群の女性1195名を対象とした。葉酸サプリメント（4000 mu g／日）を投与された593名では6名（1.0％）の，葉酸非含有ビタミン、ブラシボー群の602名では21名（3.5％）の神経管閉鎖障害児が再発した。相対的危険率は0.28で，72％の再発が防止で　きたことになる。初産婦を対象とした臨床研究はハンガリーと中国）で実施され，NTDの発生防止効果は同様に確認された。